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そして今
肘の怪我は、お医者様とリハビリにお付き合いくださった理学療法士の皆様のお陰で今は痛みを全く感じずバイオリンを弾くことができている。
心因性ジストニアに関してはまだ完全に克服したとは言えないが、対処法は自分の中で理解できるようになった。一度インプットされた記憶は残念ながら完全に消し去る事はできない。できる事は新しい動かし方を頭に植え付け対応する事だ。その為、多くの事を考えながら弾いているので、本番の演奏時は昔に比べ非常に頭を使っている。分かりやすく言うと、忘れてしまった階段の登り方を細かく何処の筋肉を使うか考えながら登っているような感覚だ。どうやって効率よく動かせば良いのかを考え、答えを自分で探し導いたこの経験は、私が指導する上でもとても役に立っていると最近感じている。
数年前にも怪我に関する内容を取材でお話をさせて頂く機会があったが、別の視点からこのように経験を語ったのは初めてだ。いずれこの奮闘記録は消去するかもしれない。でも、もし奇跡的にここまで読んでくださった方がいらっしゃるならば、苦境に立たされた時は一人で解決しようとせず必ず回りにすぐ相談をしてください。そして、諦めないでください。とお伝えしたい。
コロナ後たくさんの方から激励のお言葉を頂いた。コロナという予期せぬ事態が訪れたこの期間、私は多くの方々の優しさに触れ、改めて辛い時期も皆様に支えられてここまでやってこれたのだなと感じた。
これからも皆様へ心から感謝の気持ちを忘れずに前に進みたい。
「本当にありがとうございます」
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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